内容:「世界の生きとし生けるものを愛してるな〜、愛したいな〜」と僕が思うようになったのは、幸福学をし始めた後であることは確かかな。現代社会への不満があった。問題は「分断」。分断という言葉は最近よく使われるけど、昔は分断していなかったからあまり使われなかった。ソ連とアメリカが分断していた冷戦時代があったけど、ベルリンの壁が壊れた頃に「社会主義は負けた。資本主義が勝ったんだ。だから世界は一つになった。資本主義の勝利で、みんなが資本主義を目指せばいいんだ」と思われていた時代があった。そして、ソ連が衰退して、中国も当時小さかったし共産主義があまりうまくいっていなかったからGDPが小さかった。だから資本主義がすごく勝ったように見えた時代があった。あの頃は分断とか言われていなかった。世界はついに統一の方向に向かうという気がしていた時代だった。その後、中国が台頭して資本主義の限界が出てきて、今やトランプ大統領がアメリカを二分するというかアメリカ人自体がリベラルと不満を持った層に分かれてしまって分断している。あるいはグローバルサウスと言われている人たち、国たちが、資本主義に対して格差拡大のマシーンではないかという嫌悪感を持つようになってきている。ということで現代社会は非常に分離分断が進んでいる。
国内とか現象として見ても、マスコミュニケーションが廃れた。みんなテレビを見なくなっている。どうなるかというと、みんな好きなYouTubeを見る、好きなTikTokを見る、好きなInstagramを見る。ということは、みんなが好きな情報を見るようにクラスター化つまり分断されている。個人個人がマスコミュニケーション、テレビを見ていた頃は、みんな同じだった。8時代は全員集合して、くだらないねと言いながらもみんな見ていた。そうではなくてもっとバラバラになってきて。それぞれの好きなものを見るのは悪くない面もあるけど、政治的には、トランプさんの話でいつもしているけど、嘘を信じる人がアメリカの半分になってしまった。民主党は選挙を操っているというのは、普通に考えて嘘ですけど、民主党はズルをしていたんだというのを信じている共和党のトランプ支持者が過半数。アメリカの過半数が嘘を信じて間違った方を支持してしまうという世の中になってしまった。分断を止めるには何かというと、大きな愛しかない。
僕が中学生の頃の誰かを愛し誰かに愛されたいというのは、古代ギリシャの4つの愛の分類で言うとエロス。エロスと言うのは性愛。異性を愛する一対一の愛。次がストルゲー。もっと一対一ではなくて、家族愛。次はフィリア。鳩山さんが言っていた友愛。家族じゃなくて友達を愛そうというところまで広がっていったもの。最後がアガペー。アガペーは古代ギリシャでは無償の愛。その後キリスト教が出てきて、キリスト教では神の愛というふうに転じるけど、古代ギリシャ的に無償の愛としましょうか。という意味では、前回の人生訓3はエロス。愛する人がいるという安心感、生理的な欲求なんでしょうね。愛する人がいると人間はやっぱり安心なんでしょうね。愛する人は、異性ではなくて家族や友人でもいいですよと言ったのが、ストルゲー、フィリア。隣人愛、友人愛、家族愛に広がっていくっていうこと。古代ギリシャでは、それを哲学的に分けていたわけだけど、皆さんは違うと感じますか? 違う面と同じ面がありますよね。パートナーを愛するのと、家族愛と、友人を愛するのと、違う面もあるけど同じ面もあると思う。アガペーは全ての生きとし生けるものを愛すである。ここまで分かると全部同じに見える。アガペーを理解した感じで言うと、友人も隣人も家族もパートナーもみんな一緒。みんな愛おしくて、みんな大切だなあ〜のような。僕の感覚で言うと、妻を愛するのと、世界の生きとし生けるもの愛するのが同じ感じになると、もう古代ギリシャの分類はいらない。西洋は分けたがる。東洋の思想は統合。慈悲、コンパッションというところで、全部の愛は一緒。愛と言わず慈悲と言うけど。全部一緒でいいのでは。要するに仏教では、「すべての生きとし生けるものが幸せでありますように」の中に、もちろんパートナーも友人も家族も全部入っている。憎い人も嫌いな人も全部入っているわけだから。分けるのではなく統合的なやり方が今必要とされているのでは。
すべての生きとし生けるものを愛するというのが、今僕は本当に好き。自分で納得感のある形としてそう思っている。サティシュの言葉を借りると、すべての宗教は同じところを目指していて、結局は同じことを言っている。僕もサティシュもキリストもブッダも同じことを言っているんだということだと思う。というか全ての人はそこに到達できるはず。妻を愛する、家族を愛する、友人を愛する、嫌いな人もどんな人も愛する、そうすると全ての生きとし生けるものを愛するというところに行くのはロジカルに考えて自明。あとは感性として感情としてそう思えるか思えないか、どこまで行けるでしょうか。パートナーと家族と友人と憎い人と嫌いな人と全ての生物と、皆さんはどこに線を引くでしょうか引かないでしょうか。それを考えてみて欲しい。
今日のテーマは「世界を愛するということ」だった。キリスト教的に言うと、神は世界を愛している。人間は小さな存在だからそれはできないかもしれないけどキリストは世界を愛してくれているから、なるべくキリストに近づけるように生きていこうよというのが、クリスチャン的な人生観。仏教は、ブッダというのは神ではなくてみんなの究極の境地だから、生きとし生けるものは幸せでありますようにというのはブッダとか菩薩と言われている人たちはできているわけで、みんなそこを目指しているんだと、だからそこを目指していきましょうというのが基本。浄土真宗になると、人間は阿弥陀仏にはなれないけど、阿弥陀仏が導いてくれているからついていきましょうというような、一見キリスト教に近い感じになってくる。色々あるけど大きくいうと一緒だと思う。世界の生きとし生けるものが幸せでありますようにと言う理想を、神と呼んだり阿弥陀仏と呼んだりするか、あるいは、自分がそこに行けるものだと考えるか自分はそこには到達できないと考えるのか、紙一重の思想。ギリギリまで近づけると思うか、ギリギリまでしか近づけないから近づけないと思うか、このちょっとした違いで教義が変わってきていて、それが宗教になっている。だけどサティシュは、「全ての宗教は人々の幸せを願っている。その結果ちょっとずつ違ってしまった。でも一番もとにあるのは、みんなが幸せになって欲しいということである」と言う。世界を愛する、世界の異教徒も敵もみんな愛すると言うことでしか、世界平和は得られない。だから皆がそこにどう近づくか。皆さん個人として自分が、世界の生きとし生けるものが幸せでありますようにとどれぐらい思えるか。思えなくて、マントラのように呪文のように瞑想の言葉としてそれを唱えるでも、まずはいいと思う。そこに近づこうとしているということだから。キリスト教的なあるいは浄土真宗的な在り方かもしれないけど。自分は行ける行けたと思う在り方もあっていい。それぞれの思い込みだから、どこまでできたかという判断は、宗教によって人によって状況によって違うけど、目指していることは一緒だと思う。どの宗教も科学も。サイエンスから来ているウェルビーイングの学問を推し進めていくと、結局は、視野が広くて利他的で誠実でみんなの事を思ってチャレンジしていく人が幸せ。しかも自己肯定感が高く自己受容もできていて自分を愛している人、そして他者貢献、利他に興味があって皆を愛している人。科学的に考えても、世界を愛する人が幸せ。一番幸せな人は、世界を愛するというところまで行った人。最初は、自分を愛する、一人の人を愛する、仲間を愛するから始めていい。その結果だんだんそれが広がって、生きとし生けるもの全部仲間だよねと思えたら一番楽だし幸せ。敵がいないから。敵とかいるからストレスになる。あの上司が敵だとか、あの人の考えは理解できないなど、小さな敵を作るから皆疲れている。皆仲間で皆幸せだといいねと思うと、敵がゼロ。敵がいないと、自分の心も平和になる。そしてその思想が世界の平和を作ると思う。だから世界を愛するということに、どうすれば皆がもっともっと近づいていけるか。これが僕の科学者としてのテーマ。宗教家、宗教哲学者などと連携しながら、いかに皆が世界を愛するかということを、科学者として追求していきたい。実践家として追求する人、科学者として追求する人、哲学者として追求する人、宗教家として追求する人、いろんな人がいていい。皆んな仲間。皆さんはどのように世界を愛するということを追求するでしょうか?そのことについて深く考える1日をぜひお過ごしください。
TIPS:古代ギリシャでは愛を、エロス、ストルゲー、フィリア、アガペーと哲学的に分けていたけれど、皆さんは違うと感じますか?
パートナーと家族と友人と憎い人と嫌いな人と全ての生物と、皆さんはどこに線を引くでしょうか引かないでしょうか。それを考えてみて欲しい。
皆さんはどのように世界を愛するということを追求するでしょうか?そのことについて深く考える1日をぜひお過ごしください。
放送日 | 2024/11/24 | |
放送リンク | https://voicy.jp/channel/2318/6195876 | |
幸福学キーワード | 愛 | |
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出演者 | たかし | 〇 |
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たかしマドカ | ||
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